不妊治療を始めようか迷っている
不妊治療で成功した人はどんな感じでステップアップしていたのか知りたい
不妊治療中って妻はどんなメンタルなんだろう
この記事はこのような悩みを持っている方にむけて書いています。
日本にいる夫婦で「自分たちは不妊ではないか」と心配したことがあるのはの約3組に1組。
不妊症の検査や治療を受けたことがあるのは約6組に1組。
現在の日本では18人に1人の割合で体外受精によって赤ちゃんが生まれているそうです。
実際に我が家も不妊に悩み、約2年間の不妊治療の末、2019年4月に娘が誕生しました。
わたしが病院に行き始めた時の年齢は28歳、娘を出産した時は31歳になっていました。
不妊治療はお金も時間もかかります。
肉体的にも精神的にも負担がかかります。
なのに、お金と時間をどれだけかけても、必ず妊娠できるとは限りません。
わたしも治療中は出口が見えない暗いトンネルの中にいるような、つらい毎日でした。
そんな時、自分と同じ治療をして出産までたどり着いた人たちのブログなどを見て希望をもらっていました。
長くなりますが、この記事もまさに今悩んでいる誰かの参考に、少しでもなれば幸いです。
この記事は管理人の妻が書いています。
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通院を決意するまで
わたしたちが結婚したのはお互い27歳の時。
将来的に子供は欲しいと思っていたけど、まだ若いし自然にまかせようと特に意識せず普通に生活していました。
しかし妊娠を疑うことは1度もないまま、気付けば結婚後1年半が経過。
その時はじめて「避妊をしていないのに12ヶ月以上にわたって妊娠に至れない状態」が不妊であることを知ったのです。
既に子持ちの友人に軽い感じで相談したところ、こんなことを教えてくれました。
私も悩んでいたので病院に行った。タイミングを教えてくれるのでその通りにしたらすぐ妊娠できたよ。
自宅から徒歩圏内に不妊治療専門の病院があったので行ってみる事にしました。
この時点ではわたしも友人のようにすぐ妊娠することができるだろうと考えていました。
不妊検査
病院に行くとまずは検査から始めます。
夫婦共に検査がありますが、女性は生理周期に合わせた検査なので、全部終わるのにかかる期間はだいたい1ヶ月くらい。
検査の結果、わたしたちは二人とも特に問題は見つかりませんでした。
この時の気持ち
これまでの人生では大きな病気も無く、生理周期も安定していました。
さらに検査結果も悪くなかったことから、このまま通院を続ければすぐに妊娠できるだろうと思っていました。
タイミング法から不妊治療スタート
「生理〇〇日後にきてください」と指導があるので、そこから1~2日ごとに通院します。
卵胞(卵子が入っている袋のようなもの)の大きさを超音波検査で調べ、排卵を予想してタイミングを指導してもらいます。
検査でも特に問題は見つからなかったし、2人ともまだ若いからきっとすぐ妊娠できるでしょう。
先生のこの言葉を信じて、不妊治療の初期段階であるタイミング法からスタートすることにしました。
- タイミング法 3ヶ月
- *クロミッドを使ってのタイミング法 3ヶ月
- クロミッド+*HCG注射を使ってのタイミング法 3ヶ月
*クロミッド…排卵誘発剤
*HCG注射…大きくなった卵胞を排卵させるために使う注射
9カ月間続けましたが、タイミング法では妊娠することはできませんでした。
この時の気持ち
タイミング法は不妊治療の中でも費用が安く、妊娠に至るまでの過程もほぼ自然妊娠と変わらないので、不妊に悩み病院に行くと、まずタイミング法からはじまることが多いと思います。
だけど一通りの不妊治療を終えた今考えると、タイミング法の期間が一番つらかったです。
これまではそんな事考えず生きてきたのに、排卵が近付くとタイミングをとらなきゃ1ヶ月がムダになる!と焦ります。
妊娠の可能性が高いタイミングの日なのに夫の帰りが遅かったり、飲んで帰ってきたりするとすごく悲しかったです。
それで責めてしまったり、ダメだった時はまるで世界の終わりのように異常に落ち込んだり。
家の中の雰囲気はとても悪かったと思います。
ストレスも不妊の原因になるので、悪循環でした。
この時の自分たちに何かアドバイスできるとしたら、タイミング法からさっさと切り上げてどんどんステップアップして!と伝えたいです。
すでに1年半妊娠しない状態が続いていたのに、タイミング法に9カ月は時間をかけ過ぎました。
人工授精
タイミング法の次の段階、人工授精にステップアップしました。
排卵日付近にタイミングではなく、精子を子宮の中に直接注入して受精を促す方法です。
タイミング法と同じく、生理終了後から1~2日ごとに通院し、卵胞の大きさから排卵日を予想。
そして、指定の日に採ったばかりの精子を持って病院へ行きます。
検索魔になっていたので、人工授精は痛いとビビっていましたが全然痛みはなかったです。
下記がわたしたち夫婦の人工授精の流れです。
- 人工授精1回目:失敗
- 卵巣が腫れてしまい治療お休み。このタイミングで病院を変える
- 転院先の病院の検査で甲状腺ホルモンのバランスが悪いと判明する
- 提携している内科にかかり、*チラーヂンの服用を開始
- 人工授精2回目:失敗
- 人工授精3回目:失敗
*チラーヂン…甲状腺ホルモンを補う薬
結局、人工授精でも妊娠することはできませんでした。
人工授精を3回でやめた理由
人工授精で妊娠した人の80%は3回目までに妊娠しています。
ただ、中には10回目の人工授精で妊娠した方もいるので、回数はご夫婦で相談して決めてください。
転院先の先生からこう言われていました。
タイミング法で時間をかけ過ぎた自覚があったので、人工授精は3回やってだめなら体外受精にステップアップしようと決めていました。
この時の気持ち
タイミング法と人工授精では成功率はそんなに変わりません。
なんとなく人工授精でも妊娠できないんだろうなと思っていました。
3回目の人工授精の結果がダメだった時、残念な気持ちももちろんあったけれど、「やっぱりな」と思う自分もいました。
転院して判明した甲状腺ホルモンの件。
はじめからこの病院に来ていたら…と後悔しました。
この時、私の年齢は30歳になっていました。
体外受精
体外受精は、採卵手術により排卵前に体内から取り出した卵子と精子の受精を体外で行い、受精卵を子宮に移植する方法です。
私が通院していた病院では下記の工程でした。
- ピルを服用して子宮を休ませる
- FSH製剤を注射して卵胞発育を促す
- 採卵
- 培養
- 胚移植
- 血液検査で着床判定
それぞれ詳しく書きます。
ピルを服用して子宮を休ませる
ピルを飲むことによって、卵巣機能を1周期休ませることができるため、採卵前に卵巣のコンディションを整えることができるそうです。
早く治療を進めたいので1周期休むのは気が乗りませんでした。
だけど、この期間は妊娠を期待する気持ちも、ダメだった時の絶望感も、一緒にお休みできるので久しぶりに心が休めた時でした。
FSH製剤を注射して卵胞発育を促す
私は*アンタゴニスト法を選んだので、生理3日目から毎日*FSH製剤を注射します。
*アンタゴニスト法…たくさんの卵子を採れる特徴がある方法
*FSH製剤…卵胞発育を促す薬
毎日病院に行くのは無理なので、何回かは自己注射です。
お腹のお肉をぐっとつまんで、自分で自分に注射するんです。
何回やっても慣れず、大変でした…。痛みはほとんどないんですけどね。
FSH製剤の他にも数種類の注射や点鼻薬で卵子の成熟を促し、採卵日を決定します。
採卵は体に負担もかかるしお金もかかります。
自然周期で採卵すると、採れる卵子の数は個人差はありますが1~3個です。
どうせつらいなら、1回でできるだけ多くの卵子を採れる方がいいと思い、アンタゴニスト法を選びました。
採卵
採卵日当日、まず超音波検査でまだ排卵していない事を確認してから、採卵手術です。
わたしは薬が良く効いたので、妊娠していないのにおなかがぽっこり出るほどたくさんの卵胞が育っていました。
数個なら麻酔なしで採卵することもあるらしいですが、全身麻酔で採卵しました。
手術中は意識がないのでもちろん痛みもなく、目が覚めた時はちょうど採卵が終わった時でした。
結果、採れた卵子の数は34個。
体に相当負担がかかっていたらしく、麻酔が切れた後はいつもの生理痛の10倍くらいの腹痛でした。
壁をつたわないと歩けない位。
不妊治療の中で、採卵が終わったあとがいちばん痛かったです。
培養
採卵日、夫も一緒に病院に行き、精子をとり、採卵した卵子と合わせて体外受精させます。
採卵の翌日、培養士さんに電話をするとその時の培養の進み具合を教えてくれます。
採卵した34個中、〇個が順調に進んでいます。
〇個は途中で分裂が止まってしまいました。
こんな感じで。
さらに一週間後に通院し、最終的に移植できる状態まで育った受精卵と凍結の説明がありました。
結果、5個の受精卵を凍結することができました。
移植(1回目)
採卵後、子宮が腫れていて状態が悪かったので次周期以降に移植をすることになりました。
自然に生理が来るのを待ち、子宮の状態を整えてから受精卵を移植します。
手術室に横になると受精卵映像がモニターに映し出されます。
この子をこれから移植しますよ。
受精卵がぴゅっとスポイトに吸われる様子も見れます。
移植はほぼ痛みもなくすぐ終わりました。
移植後は安静にしたくなりますが、わたしの病院では「移植後の安静は着床率には影響しない」というデータがあるらしく、そのままお会計でした。
血液検査で着床判定(1回目)
移植の1週間後に判定に行きます。
着床していたとしても、この段階では妊娠検査薬でも反応がでないので自分では結果を知るすべがありません。
結果は病院で血液検査をしないとわからないのです。
検査の結果を待っている間、「妊娠していますように。おなかにいますように。」とずっと祈っていました。
診察室に呼ばれ検査結果用紙を渡されます。
着床しているとhCGというホルモンが検出されるのですが、結果は0でした。
つまり着床していないということです。
またしても、妊娠できませんでした・・・
この時の気持ち
転院して判明した甲状腺ホルモンも、薬を飲んで正常値になった上での体外受精。
それなのに妊娠できないなんて、もしかしたらわたしは一生自分の子供を抱くことができないのかもと考えました。
病院・帰り道と我慢していたけれど、家に帰り夫に報告すると涙が止まりませんでした。
移植(2回目)
5個の受精卵を凍結できたので、残りあと4個。
これを全部移植するまでは治療を続ける。
もしだめだった時は夫婦二人で楽しく生きていこうと夫と決めました。
1回目と同じようにモニターに映し出される受精卵に「今度こそうまくいきますように」とお祈りしました。
判定(2回目)
1週間後の判定日、夫と一緒に病院へ。
特に体調の変化もなかったので、きっと今回もダメだろうなとあまり期待しないようにしていました。
診察室に呼ばれ、検査結果用紙を渡されます。
…hCGの欄には数字が入っていました。
おめでとうございます。着床していますよ。
病院から出るエレベーターの中、夫と握手しました。
私は、タイミング法9ヶ月、人工授精3回、体外受精2回目にしてようやく子供を授かる事ができました。
その後
妊婦生活は何も問題なく順調に過ぎていき、
予定日を1週間以上超過しましたが、無事に娘が生まれました。
残りの受精卵3個はそのまま凍結保存しています。
わが家は選択ひとりっ子の予定ですが、人の気持ちは変わるので念のため。
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まとめ
不妊治療が楽しいって言う人はきっといないんじゃないでしょうか。
まだ31年しか生きていませんが、不妊治療中は間違いなく人生の中で一番つらい時でした。
一生分泣いたのでは?というくらい。
ただ、あのつらい治療があったからこそ、今となりにはかわいい娘が寝ています。
体中痛くて睡眠不足でとにかく大変な新生児の時期も、あの頃に比べたら全然つらくなかったです。
もし今、不妊症かも?と悩んでる人がいたら、一日でも早く病院に行ってほしいです。
治療をはじめるなら、少しでも若いうちが可能性が高まります。
これからの人生、明日よりあさってより、今日のあなたがいちばん若いです。