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漫画「バーテンダー」を元バーテンダーの僕が読んだ感想(ネタばれ注意)

漫画「バーテンダー」って面白いの?

お酒に関する漫画が読みたい!!

本記事はこんな悩みの方に向けて書いています。

お酒を主題とした漫画はたくさんあります。

「BARレモンハート」「ソムリエ」など、超人気作品ではないですが、知る人ぞ知る名作揃い。

の中でも一番の大作として有名なのが「バーテンダー」という漫画です。

カクテルの全国大会にも何度も出場経験のある僕が、リアルなバーテンダーの仕事っぷりを再現した「バーテンダー」という漫画を読んだ感想とあらすじを紹介します。

「バーテンダー」は「嵐」の相場くんが主役を演じドラマにもなった超大作ですね。

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漫画「バーテンダー」の魅力

漫画「バーテンダー」の魅力は登場するお酒のウンチクだけではありません。

誰もが体験する悩みをお酒を通じて解決し成長していくという人間味あふれた物語が漫画「バーテンダー」の魅力です。

主人公は 佐々倉溜(ささくら りゅう) というフランスのリッツホテルという世界的に有名なホテルのBARで働いている、技術、人間力ともにTOPクラスのスーパーバーテンダーが主人公です。

一話毎に新しいカクテルが登場する、バーテンダーを目指す人、お酒が好きな人、BARが好きな人にたまらない内容になります。


作者が稲垣吾郎がドラマ出演して話題になった「ソムリエ」を描いた「城アラキ」という、お酒に造詣が深く、大の酒好きとしても有名な方なので、お酒の知識が半端ではないです。

この漫画を全て暗記すれば、勉強していないバーテンダーよりよっぽど知識がつきます。

また作者が飲み歩きが大好きなので、バーテンダーの悩みやBARのルールなど、BARにまつわるあらゆる出来事がお話に登場します。

新人バーテンダーの 和久井 翼が登場した話は、僕が初めてバーテンダーとしてカウンターに立った時の悩みや不安を限りなく100%に近く描いていて、 なんだか懐かしく、恥ずかしい気持ちにさせてくれます。

漫画「バーテンダー」のあらすじ

パリのリッツホテルで働いていた佐々倉溜(ささくら りゅう) が日本に帰国した際に、
ひょんな事から、開店オープンを控えた「ホテルカーディナル」という超高級ホテルのBARのバーテンダーの試験を受ける事になります。

結果は、 佐々倉溜(ささくら りゅう)が合格となったのですが、日本の町場のBARで勉強をしたいという思いをもっていた 佐々倉は「ホテルカーディナル」の誘いを断ります。

そして銀座「BAR東山」というお店で働く事になります。

佐々倉はトップレベルの技術と人間力を武器に、BARにやってくるお客様に悩みを解決していきます。

BAR東山での修行を終えた 佐々倉は、雇われ店長として「バーイーデンホール」のカウンターを任される事になります。

そこでもまた、BARに来るお客様の悩みをお酒を交えて解決することで 佐々倉自身も成長していきます。

しかし順風満帆にはいかず、「バーイーデンホール」は閉店をする事になります。

このタイミングで、佐々倉は「ホテルカーディナル」からのラブコールを受け、ホテル内に 「バーイーデンホール」 を作りそこでホテルバーテンダーとしてのキャリアをスタートします。

客層や求められるサービスの違いから戸惑いながらも、さらに成長する佐々倉。
ここで、初めての弟子が登場します。

初めての弟子は、和久井 翼(わくい つばさ) という「ホテルカーディナル」の幹部候補生として入社した新卒一年目の若者です。

BARの営業や弟子の育成をしながら、ここでもお客様をカクテルの力で魅了していく佐々倉ですが、「ホテルカーディナル」は大企業のホテルなので、「利益重視」の経営方針の流れに逆らえず、ついに「バーイーデンホール」を閉店する事に。

そして銀座に自分のお店である「バーイーデンホールR&T」をOPENさせます。
「R」は 佐々倉溜 の(りゅう)のR。
「T」は和久井翼の(つばさ)のTです。

バーテンダーをキャリア当初からコツコツ貯めていた貯金をはたいてOPENさせた念願の自分のお店。
ここでもまた、様々なお客様の悩みをカクテルを使って解決していきます。
そんな 「バーイーデンホールR&T」 に待つ結末とは・・・・????

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漫画「バーテンダー」の名シーン

ホテルカーディナルの試験で作ったカクテルがウイスキー水割り!!!?

コミック1巻に収録されている話です。

フランスのパリから日本に戻った、主人公の佐々倉はひょんな事から、超高級ホテル「ホテルカーディナル」のメインBARのバーテンダーの試験を受ける事になります。

選ばれたのは、4名のバーテンダー。

最初のバーテンダーは、試験官の食事の状況も聞かずに、アルコール度数の高い「マティーニ」を作ってしまい、サービス力が低いと失格。

二人目のバーテンダーは、「グラスホッパー」というミントベースの生クリームを使ったカクテルを作りますが、作成中に試験官から「プースカフェスタイル」との要望があり、急遽との事で上手に作れず失格。
※「プースカフェスタイル」とはお酒の重みを違いを生かし、地層のような層を作るスタイルで丁寧に作らないとグラスないでお酒が混ざってしまい、キレイな層を作る事は難しいです。

三人目のバーテンダーは、普通に「サイドカー」というブランデーベースのカクテルを作り、なんとか及第点。

最後に登場するのは、我らの主人公佐々倉。

小難しいカクテルが続いた最後に、「ウイスキーの水割り」を作る。

バーテンダーの試験なのでマティーニのようなステアのカクテルやシェイカーを使ったカクテルを作りがちですが、佐々倉の人間力は底を知りません。

「ホテルカーディナル」OPENの為に毎日徹夜で仕事をしている試験官の為を思って、とても飲みやすくウイスキーの旨味が引き立つ「水割り」を作成。

試験というルールにこだわらずバーテンダーとしての職務を貫いた佐々倉。

人間の大きさを感じさせる話ですね。

佐々倉の弟子「和久井翼」の初出勤

コミックス13巻収録(ビールの苦味)

「ホテルカーディナル」の新卒一年目の和久井翼の初出勤を描いた話です。

和久井翼は「ホテルカーディナル」の幹部候補生として入社し、最初の配属は佐々倉の「バーイーデンホール」に決まりました。

勉強が得意な和久井は、初出勤の準備の為に、カクテルブックを丸暗記して挑むが、佐々倉から求めらた仕事は「なにもしない」でした。

勉強の成果を披露したい和久井ですが、やることすべてが裏目に出てしまい失敗の連続で大きな挫折を味わいます。

このシーンは僕が初めてカウンターに立った時と全く同じでした。

カクテルのレシピを暗記しても、思ったように作る事はできないです。

よく、バーテンダーはレシピ通りにお酒を作るだけだから簡単な仕事と言われる事があります。

実際はそんな事はありません。

お客様の前でカクテルを作る、これは非常に難しい事です。

ジントニックのような簡単なカクテルでさえ、素人とプロが作るとでは雲泥の差がでます。

グラスの温度、氷の大きさ形、ジンの種類、トニックの量、ライムの大きさ、入れるタイミングなど。

カクテルはとても奥が深いのです

この話で和久井はバーテンダーとは学校の授業のように暗記すれば高得点をもらえる世界ではない事を知ります。

多くの方が社会人一年目に同じ経験をしたのではないでしょうか?

バーテンダー和久井翼が誕生するきっかけな話ですね。

大手商社エリートサラリーマンのBARで生まれた恋の話。

コミックス1巻収録(スーズの記憶)

いつの時代もBARには男女の出会いが、つきものです。

今回の話の主人公は大手商社の部長代理の早瀬という男。

エリート街道をまっすぐ進み結果を残し続けた人物です。

そんな早瀬が初めて佐々倉の店に訪れたのは、元々会社の同僚であり友人で会った取引先の社長との会食の2軒目の事。

冷酷非道な早瀬は取引先への無茶なコストカットを命じ、取引先との関係は最悪に。

そんな時に佐々倉が「ピカソ」と「スーズ」の話を始めます。

ピカソは大の「スーズ」好きで有名でした。

早瀬も同じく大好きなお酒の1つでした。

早瀬が「スーズ」を好きになったきっかけは、無茶なコストカットも命じた元同僚の取引先の社長です。

早瀬がパリ出張に行った際に、仕事で失敗した早瀬を元気づける為に、元同僚はスーズを紹介したのでした。

昔を思い出した早瀬の体に温かい血が流れ始めました。

佐々倉のサービスが きっかけで取引先との関係は回復し、早瀬は数少ない友人を失ずにすみました。

佐々倉のサービスとお酒が早瀬という一人の男を救ったのです。

コミックス6巻収録(葉巻の煙 前後編)

元同僚との一件をきっかけに佐々倉の店に通っている早瀬ですが、いつものようにカウンターで飲んでいると若い女性が現れました。

その女性は葉巻を吸いだしたのです。(BARではお酒の香りが消えてしまうので、葉巻がNGのお店が多いです)

その日は、仕事でイライラしていた早瀬は、その女性と口論になり葉巻を奪い、折ってしまいます。

その後佐々倉とも相談し、反省をした早瀬は女性へのお詫びに、彼女が吸っていた葉巻をケースでプレゼントします。

女性と仲直りした早瀬は毎日のように佐々倉の店に足を運び、二人で葉巻を楽しみます。

葉巻が最後の2本になった時に、その女性が地方に転勤してしまう事を知りました。

そこで早瀬は女性へ告白をする事を決意。

勇気を振り絞って、食事に誘ったのですがデート当日に急遽の仕事が入り、仕事の鬼の早瀬はドタキャンををしてしまいます。

彼女の見送りもできずに・・・

切なすぎる話ですが、仕事を優先した早瀬を悪く思う事はできません。

彼は彼なりに仕事を第一に今までの人生を頑張ってきたのです。

そんな早瀬に奇跡が起きます。

コミック11巻収録(心の棘 前中後編)

女性へと幸せよりも仕事を選んだ早瀬。

それ以降も仕事に励み、部長に昇進。

そんなある日、会社の上司から会食のお誘いが。

会食の内容は早瀬のアメリカ支社長への昇進通達でした。

今まで普通の幸せより仕事を選んできた早瀬にとっては、出世は何よりも嬉しい事です。

会食後に昇進の話を佐々倉に話す為に店に顔を出した早瀬は、ばったり数年前の葉巻の女性と出会ってしまうのです。

早瀬はデートをすっぽかした事を謝り、そこから二人はデートを重ねていきます。

しかし、早瀬のアメリカ支社長就任の話が進み、仕事と女性どちらかを選ばなくてはならなくなりました。

アメリカ支社長就任はエリートコースで、将来は会社の社長になる可能性が高いのです。

今まで仕事を最優先にして生きてきた早瀬ですが、女性との奇跡的な再会、その女性との幸せな生活に後ろ髪を引かれます。

アメリカ出張前夜、佐々倉と一緒に、佐々倉のバーテンダーの先輩の店に行く事になります。

そこで登場したカクテルは「ボイラーメイカー」。

ビールのグラスの中にウイスキーをショットグラスごと入れて一気に飲むカクテルです。

このカクテルは、ボイラーのように心も体もカッと沸き立ち、飲んだ人にちょっとだけ勇気を与えてくれます。

覚悟を決めた早瀬は出世を諦めて女性の元に行く決意しました。

そこから、二人は奇跡の出会いを信じ、結婚し子供を授かります。

BARでの出会い、分かれ、再開を切なく甘酸っぱく描いた僕が一番好きな話です。

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まとめ

お酒の知識やカクテルに目が行きがちですが、この漫画の本質は人間模様です。

世の中には色んな人がいて、その人なりの悩みを抱えて生きています。

主人公の佐々倉は、その人たちにカクテルを通じて背中を押してあげ、問題を解決するという話です。

まだバーテンダーを読んだことがない方、是非一度読んで見てください。

BARの事がもっと好きになります。

お酒の事がもっと好きになります。

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