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【元バーテンダーが解説】カスクストレングスとシングスルカスクと何が違う?

【元バーテンダーが解説】カスクストレングスとシングスルカスクと何が違う?

ウイスキーのラベルに書いている「カスクストレングス」って何?

ウイスキーの種類なの?

シングルカスクとどう違うの?

本記事はこのような悩みの方に向けて書いています。

本記事の内容
  • カスクストレングス?シングルカスク?シングルバレル?って何が違うの?
  • カスクストレングスは樽によって、アルコール度数が異なる
  • カスクストレングスのウイスキーはレア?
  • カスクストレングスのウイスキーの美味しい飲み方
たいちょう
たいちょう

僕は8年間バーテンダーとして銀座や六本木のオーセンティックBARで働いていました。ウイスキーの種類が豊富なBARで働いてたので、今まで数えきれない程のウイスキーを飲んできました。

カスクストレングスというのは、ウイスキーの瓶詰め方法の事を言います。

「樽の状態のものを瓶詰めする事」です。

本記事では、カスクストレングスについて元バーテンダーの僕が徹底的に解説します。

また、カスクストレングスと混同しやすいシングルカスクやシングルバレルについての違いについても解説しています。

たいちょう
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この記事を読むと、カスクストレングスについての理解が深まるので、BARで恥をかかずに済みます。

是非最後まで読んでみてください。

カスクストレングス?シングルカスク?シングルバレル?って何が違うの?

「カスクストレングス」「シングルカスク」「シングルバレル」の違いに法律の定義はありません。

一般的な違いについて解説していきます。

カスクストレングスの意味

カスクストレングスは英語でカスク(樽)ストレングス(強い)という意味です。

ウイスキーを熟成した際に加水をしてアルコール度数を調整しない状態で瓶詰めしたものをカスクストレングスと呼びます。

ウイスキーは通常、樽で熟成したものに加水をしてアルコール度数を調整してから瓶詰めします。

なのでアルコール度数が約50〜60度と高く、強いお酒なのでカスクストレングスと呼びます。

シングルカスクとシングルバレルの意味

シングルカスクとシングルバレルは英語でシングル(単一の)カスク(樽)バレル(樽)という意味で、両者は呼び名が違うだけで全く同じです。

シングルカスクは、カスクストレングスと違って、加水をしてアルコール度数を調整しても単一の樽から瓶詰めしたものであればシングルカスクと呼ばれます。

しかし加水をしない物もシングルカスクと呼ばれる事からカスクストレングスと混同しやすいのです。

カスクストレングスとシングルカスク・シングルバレルの違い

たいちょう
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厳密に区別するのは非常に難しいです。

一般的な分類は下記になりますので、こちらで覚えてしまって構いません。

しかし、カスクストレングスでも一部加水をしているウイスキーもあるし、シングルカスクでも加水をしていないウイスキーもあるという事だけ覚えておきましょう。

カスクストレングスは、単一の樽から加水をせずに瓶詰めしたウイスキー
シングルバレル・シングルカスクは単一の樽から加水をして瓶詰めしたウイスキー

カスクストレングスは樽によって、アルコール度数が異なる

一般的にカスクストレングスは加水をせずに樽のまま瓶詰めするので、樽によってアルコール度数に多少の差があり、瓶によってアルコール度数が違うのです。

そういったウイスキーはボトルのラベルラベルにアルコール度数が手書きされています。

樽によってアルコール度数が違うので、ラベルを一律に印刷して貼る事ができない為です。

なのでカスクストレングスで加水を全くしていないウイスキーの見分け方はラベルをチェックしてみましょう。

カスクストレングスのウイスキーはレア?

ウイスキーは基本加水して40度に調整したものが流通されます。

これは、この度数が1番売れるのと、加水をする事で一つの樽から作れるウイスキーの数が増えて利益率が上がる為です。

なのでカスクストレングスは、あまり数が出回りません。蒸留所が儲からないからですね。

なので「プレミアムエディション」だったり記念モデルの際に加水無しのカスクストレングスを発売したりします。

たいちょう
たいちょう

カスクストレングスはレアという事ですね。

見かけたら是非飲んでみてください。

カスクストレングスのウイスキーの美味しい飲み方

カスクスストレングスの美味しい飲み方について解説します。

ストレート

カスクストレングスを飲むなら、まずはストレートで飲みましょう。

アルコール度数は高いですが、長い期間樽の中で眠っていたウイスキーをそのまま飲めるわけですから加水するのはもったいないです。

美味しく飲むポイントは、3つ紹介します。

  1. チビチビゆっくり時間をかけて飲む
  2. ウイスキーの歴史や製法についてスマホで調べながら、作る工程をイメージして飲む
  3. 常温のミネラルウォーターをチェイサーとして飲む
たいちょう
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加水無しのカスクストレングスは貴重なので、じっくり時間をかけて飲みましょう。

せっかく飲んだレアなウイスキーなので感想をメモしておきましょう。

飲んだ感想を言語化して残しておくと自分の好みがわかるので非常におすすめです。

ウイスキーのテイスティング方法について解説した記事があるので是非参考にしてみてください。

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トワイスアップ(加水)

アルコール度数60もあるウイスキーをストレートで飲むなんて無理!!という人はトワイスアップという飲み方がおすすめです。

カッコよく英語を使っていますが、要するに加水して飲む事です。

お酒とお水の量を1:1ぐらいにして飲むのが一般的です。

ウイスキーは加水をすると香りが強くなるので、ウイスキーをブレンドする「ブレンダー」と呼ばれる職人は、この方法でウイスキー本来の味や香りを確かめます。

ポイントは常温の水で水道水を使わずミネラルウォーターを加水する事です。

たいちょう
たいちょう

でも、一度はストレートで飲んでみて欲しい!

そのあとは加水をして自分で調整してカスクストレングスを楽しもう。

カスクストレングスのおすすめのウイスキー

元バーテンダーの僕がおすすめのカスクスストレングスのウイスキーを紹介します。

メーカーズマーク カスクストレングス

アルコール度数約55度
値段約7,000円
種類バーボンウイスキー

小栗旬さんがCM出演している事でも有名なアメリカのケンタッキー州のクラフトバーボン「メーカーズマーク」のカスクストレングスです。

たいちょう
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僕が思うNo1バーボンです。

自動化された機械による製造が当たり前になった現代ですが、未だに人の手を使って作り続けているメーカーズマーク。

特徴はバニラのような香りと甘みの強い複雑な味わいと長い余韻です。

今回はカスクストレングスなので、パワフルさが追加されてバーボンらしさが増しています。

通常のメーカーズマークを飲んだ事がある方は、是非チャレンジしてみてください。

▼通常版はこちら▼

スプリングバンク 12年 カスクストレングス

アルコール度数約56.3度
値段約24,000円
種類スコッチウイスキー
(キャンベルタウンモルト)

スコットランドのキャンベルタウンという地域で作られるスプリングバンクというウイスキーのカスクストレングスです。

スプリングバンクは、とにかく上品な香りと塩っぽさが特徴です。

「モルトの香水」と呼ばれる気品高い香りは女性を口説くのにぴったりと言われていますwww

そんな香り高きスプリングバンクのカスクストレングスは、パワフルさとシェリー樽熟成特有のドライフルーツのような甘みが加わり非常に良いバランスに仕上がっています。

非常に希少で高価なモデルですが是非試してみてください。

またスプリングバンクが作られているキャンベルタウンという地域について解説している記事があります。

キャンベルタウンで作られる他のウイスキーも紹介していますので是非読んでみてください。

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フィンラガン カスクストレングス

アルコール度数約58度
値段約4,000円
種類スコッチウイスキー
(アイラモルト)

フィンラガンは自分達で蒸留所は持っていないボトラーズと呼ばれる瓶詰め業者です。

ボトラーズは様々な蒸留所から原酒を買って独自の配合でブレンドして瓶詰めをします。

一般的に蒸留所から発売されるウイスキーに比べて個性的な香り味わいのものが多いとされています。

フィンラガンは、アイラ島(ラフロイグやボウモアが作られている地域)のモルトを使っていると公開していて詳細な蒸留所は非公開です。

その為、「秘密のアイラモルト」と呼ばれています。

たいちょう
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一部の噂では「カリラ」の原酒を使っているとか?

フィンラガンのカスクストレングスはアイラモルトの特徴のスパイシーで塩っぽく辛味があります。

さらにアルコール度数も58度と高いので非常にパワフルです。

アイラモルトウイスキーを飲み慣れた方は是非挑戦をしてもらいたい一本になります。

また、価格も良心的なので自宅用にぴったりです。

アイラモルトの特徴について解説している記事があるので是非読んでみてください。

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グレンドロナック カスクストレングス

アルコール度数約61度
値段約12,000円
種類スコッチウイスキー
(ハイランドモルト)

グレンドロナックはスコットランドのハイランド地方で作られたウイスキーです。

長い間、熟成にシェリー樽を使っていてシェリー樽熟成のエキスパートと呼ばれています。

特徴は、シェリー樽特有のフルーツの甘みがあり初心者にも飲みやすいです。

グレンドロナックのカスクストレングスは、飲みやすい甘みの中にパワフルさが加わって非常に飲みごたえがあります。

シェリー樽はヒメネスとペドロヒメネスの2つの樽をヴァテッド(混ぜる)しており非常にバランスが良いです。

ウイスキーの経験が少ない方やハイランドモルトを試した事がない方、シェリー樽熟成の特徴を知りたいという方は、まずはスタンダードモデルから試してみるのもアリです。

ハイランドモルトウイスキーの特徴についてまとめた記事がありますので是非参考にしてみてください。

まとめ

ウイスキーのカスクストレングとシングルモルトの違いについて最後に改めてまとめます。

カスクストレングスは、単一の樽から加水をせずに瓶詰めしたウイスキー
シングルバレル・シングルカスクは単一の樽から加水をして瓶詰めしたウイスキー
カスクストレングスはアルコール度数が高いですが、加水をしない樽出しの原酒を飲めるので、ウイスキー本来の味わいがわかるのが特徴です。
スタンダードモデルを飲んでみると味の違いがわかり、瓶詰め前の加水とヴァデッド(混ぜる)がどれぐらい味に影響があるのかがわかります。
そのウイスキーの知識を深めるのには非常におすすめの飲み方です。
その他、元バーテンダーの僕がウイスキーやグラスについて解説をしている記事がありますので是非参考にしてみてください。
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