ハイランドモルトウイスキーって何?スコッチの一種なの?
どんな特徴があるか教えて。
本記事はこのような悩みの方に向けて書いております。
- ハイランドモルトウイスキーとは?
- ハイランドモルトウイスキーの味や香りの特徴は?
- ハイランドモルトウイスキーの蒸留所一覧
- ハイランドモルトウイスキーのおすすめ銘柄一覧
僕は8年間バーテンダーとして銀座や六本木のオーセンティックBARで働いていました。ウイスキーの種類が豊富なBARで働いてたので、今まで数えきれない程のウイスキーを飲んできました。
スコッチウイスキーは生産地別に種類があり、味や特徴も様々です。
本記事では、スコッチウイスキーの種類の一つ、ハイランドモルトウイスキーについて、カウンター越しのお客様に語り掛けるように解説します。
この記事を読めば、ハイランドモルトウイスキーの味や特徴、選び方などがわかります。
そして友達にウンチクを語れるようになると思います。
是非最後まで読んでみてください。
ハイランドモルトウイスキーとは?
スコットランドの北部で作られるウイスキーの事をハイランドモルトウイスキーといいます。
昔は、北のハイランド、南のローランドという2つの分け方だけでしたが、今ではハイランドを流れるスペイ川付近のウイスキーをハイランドから切り出して、スペイサイドモルトと呼んでいます。
ハイランドには、現在43箇所の蒸留所があり、味や作り方がバラバラなのでハイランドをさらに東西南北4つの地域に分けて分類する事が一般的です。
ハイランド地域の有名なウイスキーはほとんどスペイサイド川付近にあって、スペイサイドモルトと分類されるので、ハイランドモルトはあまり有名なウイスキーはありません。
有名ではないので規模が小さく出荷量も少ないので、僕らが目にする事がないウイスキーがほとんどです。
- 北ハイランド
- 東ハイランド
- 南ハイランド
- 西ハイランド
ハイランドモルトウイスキーの味や香りの特徴は?
ハイランドモルトウイスキーの味や香りの特徴を地域毎に解説します。
北ハイランドの特徴
北ハイランドは、ハイランドモルトウイスキーの代表的な蒸留所が多く存在しています。
グレンモーレンジ、クライヌリッシュ、ダルモアなど。
他の地域のウイスキーのように強い個性はないですが、ウイスキーの原材料の麦の香りが強く、蜂蜜の甘みが特徴で、ウイスキー初心者の方が飲んでも美味しいと感じる事ができるものが多いです。
「ウイスキー初めて飲むんですけど」と言われたら、僕はハイランドモルトをおすすめしていました。
東ハイランドの特徴
東ハイランドは、スペイサイド川の近くなので味の特徴はスペイサイドモルトに近いものが多いです。
お花や洋梨のような香りがして、蜂蜜のような甘みがするものが多いです。
スペイサイドモルトはスコッチの中でも1番の激戦区なので、そこに近い東ハイランドは廃業してしまった蒸留所が多いのも特徴です。
関連記事:【元バーテンダーが教える】スペイサイドモルトウイスキーの味や特徴を徹底解説
南ハイランドの特徴
南ハイランドはローランドと近いので、口当たりが軽めで、飲みやすい銘柄が多く見られる地域です。
その中でもエドラダワーやグレンゴインのようにピートを炊き込む度合いは低いけど、非常に個性的なモルトもあり非常に面白いです。
関連記事:【元バーテンダーが教える】ローランドモルトウイスキーの味や特徴、蒸留所を徹底解説
西ハイランドの特徴
西ハイランド現在稼働している蒸留所が2箇所しかなく、味の特徴をまとめるのが難しいですが地域の特性上、アイラモルトやアイランズモルトに近いので、ハイランドモルトのような麦芽本来の甘みとスパイシーさが合わさったウイスキーが多いです。
アイラのモルトのスパイシーさとハイランドの華やかさを足して2で割ったウイスキーです。
ハイランドモルトウイスキーの蒸留所一覧
参照:榎南店
ハイランドモルトと呼ばれる43箇所の蒸留所をまとめました。
北ハイランド
蒸留所名 | 所有者 |
Balblair(バルブレア) | タイ・ビバレッジ社 |
Ben Wyvis(ベンウィヴィス) | 1977年閉鎖 |
Brora(ブローラ) | 1983年閉鎖 |
Clynelish(クライヌリッシュ ) | ディアジオ社 |
Dalmore(ダルモア) | ホワイト&マッカイ社 |
Dalwhinnie(ダルウィニー) | ディアジオ社 |
Glen Albyn(グレンアルビン) | 1983年閉鎖 |
Glen Mhor(グレンモール) | 1983年閉鎖 |
Glen morangie(グレンモーレンジ) | ディアジオ社 |
Glen Ord(グレンオード) | ディアジオ社 |
Lich Ewe(ロッホユー) | ドラムチョーク・ロッジ・ホテル |
Millburn(ミルバーン) | 1985年閉鎖 |
Pulteney(プルトニー) | タイ・ビバレッジ社 |
Royal Brackla(ロイヤルブラックラ) | バカルディ社 |
Speysaide(スペイサイド) | スペイサイド・ディスティラーズ社 |
Teaninich(ティーニニック) | ディアジオ社 |
Tomatin(トマーティン) | 宝酒造 |
東ハイランド
蒸留所名 | 所有者 |
Ardmore(アードモア) | ビーム社 |
Banff(バンフ) | 1983年閉鎖 |
Fettercairn(フェッターケアン) | ホワイト&マッカイ社 |
Glen cadam(グレンカダム) | アンガス・ダンディ社 |
Glendronach(グレンドロナック) | ベンリアック・ディストラリー社 |
Glennesk(グレネスク) | 1985年閉鎖 |
Glen Garioch(グレンギリー) | サントリー社 |
Glen glassaugh(グレンングラッサ) | グレングラッサ社 |
Glenugie(グレンアギー) | 1983年閉鎖 |
Glenury Royal(グレンユーリー・ロイヤル) | 1985年閉鎖 |
Knockdbu(ノッカンドゥー) | タイ・ビバレッジ社 |
Lochside(ロッホサイド) | 1996年閉鎖 |
Macduff(マクダフ) | バカルディ社 |
North Port(ノースポート) | 1983年閉鎖 |
Royal Lochnagar(ロイヤル・ロッホナガー) | ディアジオ社 |
南ハイランド
蒸留所名 | 所有者 |
Aberfeldy(アバフェルディ) | バカルディ社 |
Blair Athol(ブレアアソール) | ディアジオ社 |
Deanston(ディーンストン) | CLフィナンシャル社 |
Edradour(エドラダワー) | シグナトリー社 |
Glengoyne(グレンゴイン) | イアン・マクロード社 |
Glenturret(グレンタレット) | ハイランド・ディスティラーズ社 |
Loch Lomond(ロッホローモンド) | ロッホローモンド社 |
Tullibardine(タリバーティン) | タリバーティン社 |
西ハイランド
蒸留所名 | 所有者 |
Ben Nevis(ベンネヴィス) | ベンネヴィス社 |
Glen lochy(グレンロッキー) | 1983年弊社 |
Oban(オーバン) | ディアジオ社 |
ハイランドモルトウイスキーのおすすめ銘柄一覧
元バーテンダーの僕がハイランドモルトのおすすめの銘柄を紹介します。
クライヌリッシュ14年
クライヌリッシュ14年 テイスティングノート | |
色 | 茶色が強い輝く金色 |
香り | 少々酸味がある熟したフルーツ |
味わい | スパイシーな香りとクリーミーで蜜のような甘さが広がる。熟した洋梨がイメージできる |
余韻 | 熟成樽の香りが華やかで長い。 |
度数 | 46% |
容量 | 700ml |
値段 | 約5,000円 |
- 滑らかなコクがありスパイシーで万人受けするオールラウンダー
- ジョニーウォーカーの原酒としても有名
- グレンリベットに味わいは近い
ダルウィニー15年
ダルウィニー15年 テイスティングノート | |
色 | ゴールド |
香り | やわらかくバナナのような甘い香りがする。 甘さだけでなく、ビターな麦芽や、乾いた藁(わら)の香りも感じられる。 |
味わい | 強い主張はなく、麦の甘みを感じる。 非常にスムーズな味わい |
余韻 | ドライな甘みが残るが、すっきりしていて短い。 |
容量 | 700ml |
度数 | 43% |
値段 | 約5,500円 |
- スコッチの中でもトップクラスの軽さが特徴。
- 非常に飲みやすい、しかもとても華やか
- 超高級ウイスキー「ロイヤルハウスホールド」の原酒としても有名
グレンモーレンジ オリジナル
グレンモーレンジ オリジナル テイスティングノート | |
色合い | やや淡い黄金色 |
香り | 暖炉の炎に照らされているように、表情豊かな陰影が現れる。 エスプレッソ、フレッシュミントティー、 ココアをまぶしたチョコレートタルトの アロマが幾層にも重なる。 |
味わい | とろけるような甘さと、絹のようななめらかさ。 はじけるようなスパイスとモカの苦味の対比が素晴らしい。 アプリコットの焼き菓子やオレンジピールの官能的な味わい。 加水するとシナモンとコーヒービーンズ、 くるみオイル、そしてビスケットの ような麦芽の風味に包まれる。 |
フィニッシュ | 爽やかなミントやレモンの余韻。 |
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700ml |
価格 | 約4,000円 |
- スコッチの本場スコットランドで一番愛されているウイスキー
- ブレンド用の供給が一切なく、シングルモルトでしか味わう事ができない
グレンモーレンジの美味しい飲み方や香り、歴史などをまとめた記事を解説しております。
関連記事:【元バーテンダーが語る】グレンモーレンジのおすすめの飲み方 ハイボールもOK
ロイヤルロッホナガー 12年
ロイヤルロッホナガー12年 テイスティングノート | |
色合い | 淡い琥珀色 |
香り | 木材の香りや上品なレムレーズンの香り |
味わい | 麦やシリアルの甘みとフルーツの甘みが混じる。 ピリッとスパイシーさがアクセントになる。 バランスが非常に良い |
フィニッシュ | バランスの良い甘みが長く続く |
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700ml |
価格 | 約4,000円 |
- 数少ない英国王室御用達ウイスキー
- ジョニーウォーカーのブルーラベルの原酒の一つ。
- 15,000円ほどのウイスキーの原酒が約4,000円で飲めるのでお得
あまり有名ではないウイスキーですが、名前もカッコよいし王室御用達だし値段も安いので、かなりおすすめです。
家に友達を呼んだ時に、カッコつけられる一本です。
エドラダワー10年
エドラダワー10年 テイスティングノート | |
色合い | ゴールド |
香り | 重厚感ある甘み。蜂蜜やベッコウ飴がメインで 微かにピートを感じる(スパイシー) |
味わい | バームクーヘンや濃いアーモンドミルクのような甘みの中に、草っぽさが混じる。 かなり独特な味わい |
フィニッシュ | 甘みが長く残る |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 700ml |
価格 | 約5,000円 |
- スコットランド最小の蒸留所で作られるウイスキー
(生産部は3名しかいない・・・) - 創業当初から作り方を全く変えていない貴重な蒸留所
- シェリー樽熟成なので独特な深い甘みが最高
オーバン 14年
オーバン14年 テイスティングノート | |
色合い | 薄いゴールド |
香り | 蜂蜜や麦の甘い香りの中に、ジンジャーが潜む 非常に良いアクセントになっている |
味わい | 香り同様、蜂蜜・麦・シリアルの甘みの中にジンジャー やスパイシーさを感じる事ができる。 |
フィニッシュ | バニラを感じる。余韻が程よい長さ残る |
アルコール度数 | 43度 |
容量 | 700ml |
価格 | 約4,000円 |
- UDV社のクラシックモルト シリーズの一本
- ハイランドモルトとアイラモルトの中間の性質
(香りはボウモアに似ている) - スモーキーさとフルーツの甘さを兼ね揃えた銘品
ハイランドモルトまとめ
ハイランドモルトの特徴をまとめます。
- 個性に乏しいが、ウイスキー本来の麦芽の香りやシンプルな蜂蜜の甘さを楽しみたい方はおすすめ!
- ハイランドの有名蒸留所は全てスペイサイドモルトに分類されてしまった
- ハイランドモルトも東西南北と4つの地域に分類される
まず、本記事で紹介したどれか一本のハイランドモルトウイスキーを飲んでみて、感じてください!
その他にも、元バーテンダーの僕がお酒に関する事やおすすめのグラスなどを紹介している記事がありますので、是非読んでみてください。