スコッチウイスキーのグレンモーレンジ(Glen morangie)ってどんな味なの?
味や香りの特徴、美味しい飲み方を教えて。
本記事はこのような悩みの方に向けて書いております。
- グレンモーレンジとは?
- グレンモーレンジが作られる地域は?
- グレンモーレンジの歴史とは?
- グレンモーレンジの美味しいおすすめの飲み方
- グレンモーレンジのおすすめラインナップ
僕は8年間バーテンダーとして銀座や六本木のオーセンティックBARで働いていました。ウイスキーの種類が豊富なBARで働いてたので、今まで数えきれない程のウイスキーを飲んできました。
スコッチの本場、スコットランドで最も飲まれているシングルモルトがグレンモーレンジです。
グレンモーレンジを味わいを一言で表すと「華やか」です。
女性やウイスキーの初心者の方でも、楽しめる軽やかで華やかで飲みやすいお酒。
そんなグレンモーレンジの歴史や美味しい飲み方ラインナップを解説します。
ぜひ最後まで読んでください。
グレンモーレンジとは?
グレンモーレンジとは、スコットランドのハイランド地方というスコッチの名門地域で作られたウイスキーです。
グレンモーレンジとは、ゲール語で「大いなる静寂の谷間」という意味でスコットランドでも最も古い町で作られています。
現在は、MHD社(モエヘネシーディアジオ社)が保有していて、積極的にプロモーション活動をしているので聞いたことがある方も多いと思います。
他のスコッチのように、ブレンデッドモルト用に原酒を供給しておらず、シングルモルトでしか飲む事ができないのも特徴です。
グレンモーレンジの歴史とは?
グレンモーレンジの蒸留所は、1843年にウィリアム・マセソンさんという方が古いビール工場を改造して作られました。
ウィリアムさんは「バルブレア」というスコッチウイスキーの共同経営者でしたが、自分が本当に美味しいと思えるウイスキーを作る為に創業したと言われています。
1920年にシングルモルトを発売し10年後の1930年にはイングランド、ヨーロッパ、アメリカで発売され、この時代から世界中で愛飲されるようになりました。
親会社は、1990年代まで「マクドナルド&ミュアー社」を名乗っていましたが、シングルモルトが流行し96年に「グレンモーレンジ社」に改名。
2005年にMHD社(モエヘネシーディアジオ社)の傘下に入っています。
グレンモーレンジの3つのこだわり
スコットランドで一番背の高いポットスチルで蒸留する
参照:グレンモーレンジ公式HP
グレンモーレンジは創業時に、ジンの蒸留に使っていた中古のポットスチルを使っていました。
それが、思わぬ結果を生みエレガントな味わいを生んでいます。
なんと、ポットスチルの大きさは大人のキリンと同じで5.14mにも及びます。
もちろんスコットランドの蒸留所で最も背の高いポットスチルになります。
重厚感のあるアルコールの上記は、背の高いポットスチルを登りきる事ができず、軽やかなアルコールのみが抽出する事ができ、あのグレンモーレンジの軽やかで華やかな味わいを作りだす事ができたのです。
お酒を蒸留する装置です。
ポットスチルの下の部分に大麦麦芽を発酵させた液体を入れ、加熱する事で気化したアルコールを冷やし高純度のアルコールを液化させる為の装置です。
こだわり抜いた特別な樽「デザイナーカスク」を使用
参照:グレンモーレンジ公式HP
グレンモーレンジは、ウイスキーを熟成する樽にもこだわり樽を1から作成するところから始めています。
(※他の蒸留所ではバーボンを熟成した樽を買ったりと、樽を1から作る蒸留所は珍しいのです)
樽は、ホワイトオークというデザイナー家具でも使われる木材を使って作られます。
年輪の密集度を数えて選りすぐりのホワイトオークからのみ樽を作ります。
樽を作ったら、2年もかけてゆっくり自然乾燥させ、これをバーボンメーカーに貸し出しバーボンを熟成させ新品の樽にある雑味を取り除きます。
そして、ようやく「デザイナーカスク」と呼ばれるグレンモーレンジ専用の特別な樽が完成するのです。
このこだわりが、バーボン特有のバニラや蜂蜜のニュアンスを生み、グレンモーレンジの特徴の華やかな甘みを実現させるのです。
ミネラル豊富な湧き水を使用
参照:グレンモーレンジ公式HP
グレンモーレンジは、スコットランドでも数少ない、硬水を仕込み水に使っている蒸留所です。
水源は蒸留所が所有する「ターロギーの泉」という泉からから出る、100年以上も年月をかけて石灰岩と砂岩層で濾過されてきたものであり、ミネラルが豊富に含まれた硬度190の湧き水です。
これだけの高い高度の水を使ってウイスキーを作っているのは、同じハイランドモルトの「ハイランドパーク」ぐらいです。
両者とも、よいモルトウイスキーは軟水ではないと作れないという常識を覆した傑作です。
ハイランドパークもグレンモーレンジ同様に、たくさんのミネラルを含んだ硬水を使うことで、クリーミーな質感、フルーティーな味わいを実現しています。
使う水の硬度によって、ウイスキーは表情を変えます。
水の硬度は含まれるカルシウム量とマグネシウム量で決まります。
硬度(mg/L)
=(カルシウム量×2.5)+(マグネシウム量×4.1)
100未満:軟水
100〜300未満:中硬水
300以上:硬水
グレンモーレンジの美味しいおすすめの飲み方
ストレート
ウイスキー本来の味を知るには、ストレートで飲むのが一番と言われています。
でもストレートだとアルコール度数が高すぎて飲めない。
そんな方は、少しミネラルウォーターを加えて飲んでみるのがおすすめです。
ウイスキーは少量の水を加える事で、香りが高くなり、本来もっている華やかさが開きます。
ウイスキーに加水する際には、そのウイスキーが作られる過程で使った水の硬度と同等のものを選ぶ事がポイントです。
水道水とかは雑味が多く絶対にやめましょう。
比較的手軽に手に入る硬度の高いミネラルウォーターはエビアンがおすすめです。220mlなので晩酌1回分で使いきるベストなサイズ感です。
自宅で晩酌を愉しむためにグレンモーレンジを買ったのであれば、一度テイスティングをしてグレンモーレンジの味をメモしておきましょう。
関連記事:【初心者でも簡単】自宅でできるウイスキーのテイスティング方法
ロック
ストレートでグレンモーレンジを飲んで、味の特徴が分かってきたら、ロックで楽しみましょう。
氷が溶けてグレンモーレンジの味が、どんどん変化していきます。
自宅でゆっくり映画でも観ながらウイスキーを楽しむにはロックが一番おすすめです。
お気に入りのロックグラスが家にないという方はこちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:元バーテンダーが選ぶロックグラス16選 プレゼントにもオススメ。ウイスキー用>>
グレンモーレンジ オレンジハイボール
参照:成城石井公式HP
グレンモーレンジを所有しているMHD社(モエヘネシーディアジオ社)がプロモーションの為に開発したカクテルが「オレンジハイボール」です。
グレンモーレンジはオレンジの味わいが強いウイスキーなので、その特徴を生かしてオレンジピール(皮)からでるオレンジのエキスとハイボールを合わせた、飲みやすいカクテルです。
作り方は簡単です。ぜひ自宅で試してみてください。
- グラスに氷を入れ、グレンモーレンジ オリジナル(30~40ml)注ぎます
- 炭酸(100~120ml)加えて軽く混ぜます(炭酸が消えるので絶対に勢いよくやらない事)
- 親指の腹ぐらいの大きさのオレンジの皮を切り取って、グラスの内側と外側で絞り、オレンジオイルを飛ばします。(一番上の氷とグラスの縁にオイルをつけるイメージ)
- オレンジの皮をそのままグラスに沈める
使う炭酸は市販のもので構いません。
僕のおすすめは炭酸が強い、「ウィルキンソン タンサン」です。
グレンモーレンジ オリジナルの口コミまとめ
2020年9月現在のグレンモーレンジオリジナルのAmazonでの評価数は480件。
そのうちの70%が最高点の★5をつけているウイスキーです。
特徴的な味わいもさることながら、みなさんが評価しているのは圧倒的なコストパフォーマンスです。
「グレンモーレンジオリジナル」はスコッチの中で1本4,000円と比較的リーズナブルな価格設定になっています。
それでいて、満足できる味わいなので非常に高い評価の口コミが集まってと言えます。
- 日本語で書かれてる悪い評価の口コミは一つもありませんでした。
- 愛飲していた同価格帯の日本ウイスキーがほぼ全滅状態となり、自然とスコッチに再び目を向けてみた。
今まで飲んだ事が無い同等の価格帯のウイスキーを数種試してみたがその中で一番旨く感じた。 - スコッチがとても好きな彼が、今までのウィスキーで1番美味い!と言ってました。
- つまみ無しでも口寂しくならないので遅い時間の晩酌に重宝しています。
グレンモーレンジのおすすめラインナップ
グレンモーレンジには、たくさんの種類があるので、僕のおすすめを紹介します。
グレンモーレンジが初めての方は、まずは「グレンモーレンジオリジナル」を飲んでみてください。
グレンモーレンジ オリジナル
グレンモーレンジ オリジナル テイスティングノート | |
色合い | やや淡い黄金色 |
香り | 暖炉の炎に照らされているように、表情豊かな陰影が現れる。 エスプレッソ、フレッシュミントティー、 ココアをまぶしたチョコレートタルトの アロマが幾層にも重なる。 |
味わい | とろけるような甘さと、絹のようななめらかさ。 はじけるようなスパイスとモカの苦味の対比が素晴らしい。 アプリコットの焼き菓子やオレンジピールの官能的な味わい。 加水するとシナモンとコーヒービーンズ、 くるみオイル、そしてビスケットの ような麦芽の風味に包まれる。 |
フィニッシュ | 爽やかなミントやレモンの余韻。 |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 約4,000円 |
- スコッチの本場スコットランドで一番愛されているウイスキー
- ブレンド用の供給が一切なく、シングルモルトでしか味わう事ができない
グレンモーレンジ ラサンタ 12年
グレンモーレンジ ラサンタ12年 テイスティングノート | |
色合い | 明るい小豆色 |
香り | チョコレートで覆ったレーズンやキャラメルトフィー のような甘いデザートの香りの後、柑橘系の爽やかさと、 クレームブリュレの焦がした砂糖と、 ラム・レーズンアイスクリームの濃厚な香りが訪れる。 |
味わい | シェリー特有の甘くてフルボディーな味わいに、 サルタナ葡萄、オレンジスライス、胡桃、 バター・トフィーの風味。 チョコーレートでコーティングした胡桃、 甘いスパイス、革のニュアンスが芳醇な味わいを際立たせる。 |
フィニッシュ | スパイスのかかったオレンジとチョコレートがけしたヘーゼルナッツの長い余韻。 |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 約6,500円 |
グレンモーレンジ ラサンタ 12年 おすすめポイント
- 上質のオロロソシェリーとペドロヒメネスの樽で熟成
- 甘いウイスキーが好きな人にはおすすめ。シェリー樽で熟成しているので深くて甘い味わいに。
- 香りはナッツ系、味わいはオレンジやバターのような甘さが特徴
グレンモーレンジ キンタ・ルバン 14年 ポートカスク フィニッシュ
グレンモーレンジ キンタ・ルバン14年 テイスティングノート | |
色合い | 太陽を浴びたローズゴールド |
香り | 皮を剥いたフレッシュなマンダリンオレンジとベルギーのミントチョコレートのアロマの後、暖炉の炎の中に胡桃の殻を入れたような香ばしさ、クリスマス・プディングのナツメグ、ムスクや白檀の温かさを感じる。 |
味わい | 絹やベルベットのようになめらかなテクスチャ。 ブラックチョコレートでコーティングした胡桃、 レモンやローズ味のターキッシュ・ディライトの風味の後、 砂糖漬けのオレンジとミントチョコレートの 爽やかな風味が現れる。 |
フィニッシュ | ミントチョコレートとオレンジのはじけるような印象が続く。 |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 約7,000円 |
- 良質のルビーポートの樽で熟成していて、ブラックチョコとミントの風味が抜群なウイスキー
- 口当たりはベルベットのようで、下へのストレスがなくスムーズに口の中に広がります。
グレンモーレンジ 18年
グレンモーレンジ18年 テイスティングノート | |
色合い | 光沢ととろみのある金色 |
香り | ナッツのようなコクが、クレームブリュレの甘さへ、 そしてクリーミーなバニラの香りへと切れ間なく 変化を続ける。 生き生きとしたオレンジやレモンのニュアンスの後、 胡桃の香ばしさ、熟したデーツの香りが顔を出し、 甘さを和らげるようなゼラニウムやジャスミン、 水仙などのハーブや花の香りが表面に現れる。 |
味わい | グレープフルーツやオレンジの第一印象の後、 フルボディで円熟した風味がシルクのように なめらかに舌の上にすべりこむ。 とろりとした蜂蜜、モルトや花のクリーミーな味わいが、 オロロソシェリーのカスクに由来する ヘーゼルナッツや胡桃の温かみのある甘さへと切れ間なく続く。 |
フィニッシュ | 魅惑的なドライフルーツの甘味と、シェリー由来のナッティーでドライな余韻が長く続く |
アルコール度数 | 43% |
価格 | 約11,000円 |
- グレンモーレンジ オリジナルを長期熟成し深みを増したウイスキー
- 飲みやすい口当たりと味わいの中に非常に深みを感じる高級ウイスキー。ウイスキー好きの方へのプレゼントに最適
- もったいないけど、少し水を加えて飲むと味の変化がはっきりわかる表情豊かなウイスキー
グレンモーレンジ ネクター・ドール ソーテルヌカスク
グレンモーレンジ ネクター・ドール ソーテルヌカスク テイスティングノート | |
色合い | 蜂蜜のような金色 |
香り | 香り豊かなレモンクリームをのせたタルトの香りの後、 ライムピールやオレンジピールを飾った ふわふわのスポンジケーキやバニラのアロマ、 みずみずしい葡萄や、デーツ、温かい生姜やココナツ、 ナツメグの香りが広がる。 |
味わい | レモンタルトのとろけるようになめらかな クリーミーな味わいと柑橘系の果実味が溶け合う。 クリーム・キャラメルやライムの風味の後、 温かい生姜やナツメグやアーモンドの香ばしい風味が現れ、 メレンゲや蜂蜜へと変化していく。 |
フィニッシュ | けだるく甘い後味。 レモンの皮やバニラクリームの香味とショウガや ナツメグの繊細な余韻。 |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 約8,000円 |
おすすめポイント
- あえてカビを発生させ腐らせる事で甘みが増大したソーテルヌワインの樽を使って熟成をしているので、重厚な甘みが特徴。
グレンモーレンジ シグネット
グレンモーレンジ シグネット テイスティングノート | |
色合い | 深い琥珀色 |
香り | エスプレッソ、フレッシュミントティー、 ココアをまぶしたチョコレートタルトのアロマが 幾層にも重なる。 続いてプラムのプディング、砂糖漬けのオレンジピール、 シナモンやジンジャー、バタースカッチの温かい香りが 立ち昇り、最後にチョコレートがけのドライフルーツ、 デーツ、チェリーが現れる。 |
味わい | とろけるような甘さと、絹のようななめらかさ。 はじけるようなスパイスとモカの苦味の対比が素晴らしい。 アプリコットの焼き菓子やオレンジピールの官能的な味わい。 加水するとシナモンとコーヒービーンズ、くるみオイル、そしてビスケットのような麦芽の風味に包まれる。 |
フィニッシュ | 春風のように爽やかなミントやレモンの余韻。 |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 約16,000円 |
- 世界で初めて、チョコレートモルトを使ったウイスキー
(チョコレートモルトとはモルトを濃茶色になるまでローストしたもの。カカオ豆とかではないです) - 食後の一杯や葉巻との相性抜群。
- かなり希少なモルトなので見つけたら是非飲んでみて。
まとめ
グレンモーレンジを飲んだことない方は是非、試してみてください。
グレンモーレンジオリジナルのおすすめポイントをまとめます。
- シングルモルトで1本4,000円という圧倒的にリーズナブル
- 華やかで甘みのあるウイスキー初心者でも楽しめる
- ポットスチル(蒸留器)、樽、水とこだわり抜いた特別なウイスキー
関連記事:【元バーテンダーが教える】ハイボールに合うおすすめウイスキー9選 自宅で晩酌用
最後に自慢させてください。
1990年代に流通したグレンモーレンジ10年のボトルです。
今でも、コルクを開けると、ほのかにグレンモーレンジの甘い香りを感じることができます。
水入れて飲もうかしらwww