「シングルモルトは美味い」とよく聞くけど、そもそもシングルモルトって何?
意外としっかり理解している人が少なく、
他のブログを見ても丁寧に解説している記事が多かったので、
元バーテンダーの僕が大好きなスコッチを例に丁寧に解説しますね。
「スコッチって、シングルモルトとブレンデッドに分ける事ができる。」
→この認識の方は60点です。
スコッチには、 「原料・製法」での分類と「製品」 での分類 の2種類があります。
ここが混ざって覚えてしまっている方が多いので、この記事を読んでスコッチの分類を覚えましょう。
スコッチ片手に飲みながら読めば、3分ぐらい理解できると思います。
飲みすぎは注意ね。
【元バーテンダーの実体験】飲み過ぎた次の日の二日酔い対策についてまとめてみた
スコッチを原料・製法での分類の仕方
まずは、ウイスキーを作る原料と製法で大きく3つに分類されます。
(シングルモルトは次の章に出てくるので少々お待ちを。)
・モルトウイスキー
・ブレンデッドウイスキー
・グレーンウイスキー
元々スコッチにはモルトウイスキーしかありませんでした。
しかし、19世紀前半に大きな資本を投入し連続式蒸留機が発明され、
トウモロコシ等、安価な原材料で作られるグレーンウイスキーが大量に生産する事が可能になりました。
大量生産の時代になり、ウイスキーでもっと大儲けしようと考えた人が、
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜて、ブレンデッドウイスキーを作りました。
モルトウイスキーとは?
原料には、大麦麦芽(これ英語で「モルト」といいます)のみを使います。
上の写真にもある単式蒸留窯(ポットスチル)で2回蒸留したものをモルトウイスキーと呼びます。
(一部3回蒸留のウイスキーもあります。ローランドモルトのオーヘントッシャンがこれに当たります)
グレーンウイスキーとは?
原料に、トウモロコシ・小麦・発芽していない大麦などを使い、
連続式蒸留器を使い蒸留したものをグレーンウイスキーと呼びます。
連続式蒸留器というのはは、大きい箱の中に単式蒸留器(ポットスチル)がいくつも入っているイメージで良いと思います。
ブレンデッドウイスキーとは?
複数のモルト(大麦麦芽)とグレーン(穀物)をブレンドして作ったウイスキーの事をブレンデッドウイスキーと呼びます。
以上が、 スコッチウイスキーの 製造方法・原料での分類です。
さぁ皆さんお待ちかねの「シングルモルト」の登場です。
スコッチウイスキーを製品としてみた場合の分類方法
さて、ようやく「シングルモルトウイスキー」の登場です。
スコッチを製品で分類した場合、大きく4つに分かれます。
・シングルモルトウイスキー
・シングルグレーンウイスキー
・ブレンデッドウイスキー
・ヴァッテッドウイスキー
シングルモルトウイスキーとは?
1つの蒸留所で作られたモルトウイスキーを混ぜて瓶詰めしたものをシングルモルトウイスキーと呼びます。
となりの蒸留所や親戚の蒸留所で作られたモルトウイスキーを混ぜたものはシングルモルトウイスキーとは呼ばないです。(後で書くけど、これはヴァッテッド・ウイスキーと呼びます。)
おすすめのシングルモルトウイスキー
■アルコール度数:40度
■味・香りの特徴:軽くてフレッシュな洋ナシの香り、オレンジピールの味わいとかすかにピートを感じるバランスの良さがGOOD
■たいちょうコメント
この世界で1番飲まれているシングルモルトです。
軽めなウイスキーなので老若男女問わず飲めて、ビジネス的に大成功したウイスキーの1つ。
空港の免税店に必ず置いてあるので、見た事ある方も多いんじゃないでしょうか?
シングルグレーンウイスキー とは?
1つの蒸留所で作られたグレーンウイスキーを混ぜて瓶詰めしたものをグレーンモルトウイスキーと呼びます。
シングルモルトウイスキーのグレーンウイスキー版という事だね。
シングルグレーンウイスキーは モルト(大麦麦芽)のような個性がないので 商品化させる事は少ないです。
だから飲んだことない人の方が多いんじゃないかな?
では、何に使っているかというと、ブレンデッドウイスキーの材料として利用されるのです。
ブレンデッドウイスキー??何それ???
それではブレンデッドウイスキーを解説します。
ブレンデッドウイスキーとは?
複数の蒸留所で作られたモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜて瓶詰めしたものをブレンデッドウイスキーと呼びます。
おすすめのブレンデッドウイスキーを紹介
THE FAMOUS GROUSE(ザ・フェイマス・グラウス)
■アルコール度数:40度
■たいちょうコメント :たいちょうが選ぶ水割りにしたら美味しいウイスキーランキングの1位のブレンデッドウイスキーです。
「マッカラン」や「ハイランドパーク」といった有名な蒸留所の原酒をベースに甘みたっぷりなグレーンウイスキーを混ざて作られているので、味のしっかりしたウイスキーです。
価格が安いのもオススメポイントの1つです。
水割りよりソーダ割りのハイボールが好きな方はこちらをどうぞ
【初心者必見】元バーテンダーオススメ。宅飲みハイボールに合うウイスキー5選
ヴァッテッドウイスキーとは?
複数の蒸留所で作られたモルトウイスキーを混ぜて瓶詰めしたものを ヴァッテッドウイスキー と呼びます。
ヴァッテッドウイスキーは昔は人気があったのだけど、今は人気がありません。
僕らが一般的に手に入れる事ができるものは、
シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの2種類です。
日本に輸出されるウイスキーの中での比率はブレンデッドウイスキーが85%です。
ブレンデッドウイスキーは大量生産ができるグレーンウイスキーを混ぜているから、たくさん作れて儲かるんです。
【まとめ】もう一度整理しよう。
・スコッチウイスキーの分類方法は2つ、「原材料・製造法」と「製品」
・シングルモルトウイスキーは「製品」で分類した時に、1か所の蒸留所で作ら得たウイスキーの原酒を混ぜて瓶詰めした製品の事です。
・僕らが一般的に買う事ができるスコッチははシングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの2種類
この分類方法をごちゃ混ぜにして覚えている人が多いので、これ読んだらもう大丈夫だよね??
でもスコッチって、もっと奥が深いのwww
スコッチを製造地域別の分類の解説も記事にしていますので、よろしければご覧ください!!
【初心者必見】元バーテンダーが、おすすめのスコッチを生産地別に詳しく解説